やすやすとチェンマイ暮らし

...チェンマイに暮らす中で、日々の出来事や個人の想いを綴っています。

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永遠の愛

毎年、2月14日は世界的にバレンタインデーですが、
その日に先立って、タイでは、こんなニュースが流れていました。

タイの中部、アユッタヤー県内で暮らすおじいさんの話。

ジャルーンおじいさん85才は、市場の片隅で毎日焼きバナナを売っている。今までは60年以上寄り添ってきたトゥアンおばあさん80才と一緒だったが、2ヶ月前、おばあさんに先立たれてしまい、今では一人になってしまった。あばあさんは、6年前に脳梗塞で倒れてから体の自由がきかなくなったので、車イスで市場に連れて来て、毎日、市場で焼きバナナを売っていた。

おばあさんが亡くなってからは、毎日おばあさんのことが恋しくて、
後追い自殺も考えたけれど、自ら命を絶つことは罰当たりになる。
寂しさを紛らわすために、おばあさんの写真と車イスを持って
市場に来ることで、おばあさんがいつも側にいる気がする。
バレンタインデーというのは、西洋のものなので知らないが、
タイ語で「วันแห่งความรัก」愛の日と説明してあげると、
「自分には特別な愛の日はなく、一刻、毎日、一生、
 亡くなってからでさえも愛の日に変わりない。」と答えている。

ジャルーンおじいさんが昔を思い出しながら語った。

「おばあさんは同じ村の出身で、年下だった。もちろん初恋だった。
 お互いに初恋同士だったのさ。
 好意を持ち始めた頃、お寺の祭りに一緒に遊びに行ったが、
 お寺では、ずっと一緒に、そして来世での愛を誓い合った。
 どこかお寺へ行けばいつも同じように誓い合っていたものだよ。」

「一度僧門へ出家してから、還俗後に結婚を申し込んだが、
 その当時の結納金は1,000バーツだったな。
 おばあさんが亡くなるその日までずっと一緒に過ごしてきたよ。
 60年以上、食事、仕事をする時も、どこへ行く時も一緒で、
 これまでに一度も喧嘩をしたことがなかったね。」

「愛、と聞かれても説明できないが、お互いに理解し合うことかね。
 日々食べるのに事欠いた時でさえ、感情的になったことはないよ。
 結婚してから、ずっと一緒に商売をしていたが、
 妻が35才になった時、子供ができないことがはっきりしたんだよ。」

「その事実がわかった時、おばあさんはな、
 老後に面倒を見てもらうために、子供がほしいのなら、
 新しい奥さんを探してもいいよ。と言ったくれたけど、
 私は、子供はいなくても、おばあさんがいてくれれば、
 私の人生は最高だよ。それだけでいいんだよ、と答えたさ。」

「正直に話すと、この2ヶ月間、おばあさん無しの生活は考えられず、
 苦しい気持ちで、死にたいと思ったこともあるが、
 自分で命を絶つことは罪深いことなので、そんな勇気もないんだ。
 その代わり、毎日彼女の写真と車イスを持って市場へ行くんだ、
 今でも近くにいると信じているからね。」

85才になるジャルーンおじいさんに子供はおらず、
市場の裏にある月1,500バーツの借家で一人暮らしをしている。
市場で焼きバナナや焼き芋を売って、
1日100バーツの売り上げがあり、
その他には政府から高齢者手当を
毎月500バーツもらって暮らしている。

報道されてから、近所の人もよく買ってくれるようになったが、
今までと同じ量だけ売れればそれで屋台を片づけるそうで、
おばあさんのことを想い続けながら質素な暮らしを続けている。

人それぞれ、愛情にはいろいろな形があるでしょうが、
ジャルーンおじいさんのような生き方も現実にあるんですね。
ちょっと前のアニメ映画「Up」(邦題:カールじいさんの空飛ぶ家)が
思い浮かんできました。
ジャルーンおじいさんの方がもっと生くさい現実だけど。
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