やすやすとチェンマイ暮らし

...チェンマイに暮らす中で、日々の出来事や個人の想いを綴っています。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

開発僧

お祖母ちゃんが市内のお寺へ行きたいというので、
よくわからないまま運転手として家族で行くことになりました。
実家の村の人から聞いたそうなのですが、
高僧のお葬式(境内で火葬)が18日にあり、
その前にお参りに行きたいという願いでした。

平日なら境内に車が駐車できるのですが、
今日は寺院内には入れず、周辺も路上駐車で一杯でした。
少し離れたホテルの駐車場に車を停め(有料30バーツ)、
歩いてジェディールアン寺院に着きました。

お寺の周辺では、無料で食事を配っていました。
参拝者に食べ物を施すことで、その人たちも徳を積むことになり、
いろいろな食べ物が配られていました。

17012010085.jpg

ジュースやコーヒーの飲物から、麺類からご飯もの、
クッキーやアイスクリームまで配られていましたが、
この焼き肉の前には長い列ができていました。

17012010088.jpg

大きな写真を見て、この僧侶の顔はどこかで見たことがあるなー、
と記憶を辿りながら、お参りをすませてきました。

17012010071.jpg     17012010077.jpg

よく考えてみると、過去に何度か行ったことのある財団の
創設者だということを思い出しました。
残念ながらご本人に直接お会いする機会はありませんでしたが、
学生グループの通訳で事務所へは行ったことがあります。

家に戻ってから、インターネットでタイ語で名前を検索してみると、
『ウィキペディア(Wikipedia)』で見つかりました。

ポッチャナワラーポーン高僧、
チェンマイでは、ルアンプー・チャンでよく知られているようです。
1917年11月26日に生まれ、
15才で小僧としてジェディールアン寺院で出家。
20才で正式な僧侶となり、後年はジェディールアン寺院の住職となり、
亡くなられたのは2008年7月11日、91才だったそうです。
1年以上遺体を安置して、いよいよ1月18日に火葬されるそうで、
当日はシリントーン王女も参列されるとのことです。

ジェディールアン寺院の住職であったチャン高僧は、
北部タイの開発僧の第一人者としても有名です。

タイは仏教国で、総人口の95%は仏教徒と言われています。
タイの仏教はスリランカ系の上座部仏教で、
今でも小乗仏教(個人の救済だけをめざす教え)と呼ぶ人がいますが、
これは中国系の大乗仏教(日本も)からの蔑称でもあります。
上座部仏教は、世俗の生活を捨て、227の戒律を守って
修行生活を送る出家者中心の仏教です。
長い歴史の中で、僧侶は自分の修行に励み、解脱をめさずもので、
ほとんど社会問題には関わってきませんでした。
しかし、その中から新しい流れとして、開発僧と呼ばれる人たちが、
積極的に農村や社会の開発に関わるようになってきました。

チャン高僧は、貧困のため子供たちが学校へ通えない現状を知り、
1957年、メーター・スクサー財団を設立し、
ジェディールアン寺院の横にメーター・スクサー学校を建てました。
「เมตตา」(メーター)慈悲、
「ศึกษา」(スクサー)教育、という意味です。
学校を設立してから15年以上が経過した頃、
農村にいる子供たちにも教育が必要だと考え、
1975年に『農村教育及び開発財団』を設立しました。
当時、メーリム郡にあるダラーピロム寺院の住職に任命され、
その敷地横に財団事務所を置き、活動が始まりました。
チャン高僧は、宗教と教育を分離せず、
現実に農民と農村の抱えている問題を知り、
貧困を改善するために仏教の教えを中心として、
農民に教育の機会を提供することが必要であると考えました。
村人に仏教の教えを通して以下の4つの資質を求めました。
 ①勤勉
 ②節約
 ③正直
 ④協力
財団が中心になり、チェンマイ県、ランプーン県、メーホーンソン県で
村人も参加して、農村の開発、地域の開発を進めてきました。

火葬の際に棺が納められる飾り付けですが、
鳥の体に象の頭がついており、きれいに飾り付けられていました。

17012010080.jpg

火葬当日は、多くの人出が予想されるので、お寺には行きませんが、
テレビのニュースで見られるのではないかと思っています。
どんな雰囲気なのかは、
ブログ「みちくさチェンマイ」のお坊さんのお葬式を読めば、
だいたい想像できそうです。きっと花火が上がるんでしょうね。

天辺にある四角い布ですが、火葬の際にこの布が焼けずに残ったら、
細かく切り裂いて、お守りとして分けられるのだそうです。

17012010076.jpg

多くの弟子や葬儀に参列する市民たちが、
チャン高僧の意志を受け継ぎ、仏教の儀式や形式にとらわれず、
精神的な面でも社会の開発に関わっていくことが、
一番の供養になるのではないかと思います。
関連記事

| 巷の世間話 | 20:24 | comments:4 | trackbacks:1 | TOP↑

COMMENT

ダラーピロム寺院に行った事があります。そこのご住職だったんですね。こんなに素晴らしい方だと知れて嬉しいです。ありがとうございます!

| yunkao | 2010/01/19 19:20 | URL | ≫ EDIT

Re: タイトルなし

こういった素晴らしいお坊さんがいる一方で、
日々のニュースでは、戒律で禁止されているお酒を飲み、
酔っぱらっていたお坊さんがいたりします。
つい最近も、他人の奥さんと不倫して、
その夫に撃ち殺された坊さんが新聞に出ていました。

| ポーヤス | 2010/01/19 23:16 | URL |

はじめまして!!

yunkaoさんの所から飛んできました!!
とても詳しい説明にすごく感動しています。
1年以上も前にお亡くなりになられていて、たまたまふら~っとお寺をのぞいた日が火葬の日だったなんて…
びっくりです。
私も写真や動画を撮ったので、また後日upしますが、リンク貼らせて頂いて宜しいですか?!
とても詳しく故人の事を知れるので。

| Lana | 2010/01/21 08:30 | URL | ≫ EDIT

Re: はじめまして!!

> 私も写真や動画を撮ったので、また後日upしますが、
> リンク貼らせて頂いて宜しいですか?!

どうぞ、リンクしてください。私も見てみたいです。

たまたまお祖母ちゃんに聞いて、たまたま行ったら、
どこかで自分にもつながっていました。
不思議な縁というものを感じます。

| ポーヤス | 2010/01/21 09:20 | URL |















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://suyasuya.blog84.fc2.com/tb.php/434-42f21756

TRACKBACK

ノック・ハッサディーリン

ふらふら~と歩きながらUターンするつもりだったのに歩行者天国の道がこちらにも?! ってな、感じで引き寄せられる様に、お寺を拝見。 そして、隣のお寺でもなにやら人が一杯… しかも、なんだか違った雰囲気です。 多分1人だったら絶対入らなかっただろうなぁ...

| Lana ~魅惑の胃袋放浪記~ | 2010/02/01 22:38 |

PREV | PAGE-SELECT | NEXT